世界で最初のクリスマス
クリスマス・メッセージ
石井智恵美
「イエスは、ヘロデ王の時代にベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。『ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を拝みに来たのです。』」(マタイによる福音書2章1節~2節)
みなさん、クリスマスってなんの日でしょう。クリスマス・ケーキやごちそうを食べる日?クリスマス・プレゼントをもらう日?みんなそれぞれのクリスマスのイメージがあると思います。
今日は、世界で最初のクリスマスのお話をします。今日のプログラムの表紙に描いてある絵を見てください。真ん中の赤ちゃん、これがイエスさまですけれど、みんながこの赤ちゃんを拝んでいます。お母さんのマリアさんもお父さんのヨセフさんも、羊飼いたちも、三人の博士たちも、みんな目を伏せてイエス様を拝んでいます。「クリスマス」という言葉は、「クリスト(キリスト)」と「マス(礼拝)」という言葉組み合わせ、つまり「キリストを礼拝する」というのが、クリスマスの意味なのです。そして、今日のこの絵は、世界で最初のクリスマス、イエス様を礼拝している場面をえがいています。夜空には大きなベツレヘムの星が輝いて、救い主キリストの誕生を告げ知らせています。暖かで安らかな平和の光が、生まれたばかりの赤ちゃんから発せられていることが伝わってきます。
けれども、イエス様は本当に安全・安心なところに生まれてきたわけではありません。ヘロデ王は、とても嫉妬深い王で、自分の敵になると思う人は容赦なく抹殺するような王でもありました。だから東方の博士たちが「ユダヤ人の王を拝みに来た」とヘロデ王のところに行って告げたときは、ヘロデ王は内心おだやかではなかったはずです。「ヘロデ王は不安をいだいた。エルサレムの人々もまた同様であった」(2:3)と記されています。ヘロデ王がまたひどいことをするかもしれない、と周りの人は不安になったのです。
そして実際、ヘロデ王は3歳以下の男の子をすべて殺せという命令をこの後、出します。マリア、ヨセフ、赤ちゃんのイエス様は天使のお告げによって、難民となってエジプトへ逃げて、難を逃れることができました。このように生まれてすぐに赤ちゃんのイエス様は、たいへんな困難にあっているのです。
世界で最初のクリスマスは、苦しみの多いこの世に、救い主が生まれたことのお祝いでした。そして、私たちと共にいてくださる神さま?インマヌエルを告げ知らせる出来事でした。私たちも、イエス様がこの世に生まれてくださり、私たちの苦しみ悩みを共にしてくださったことを、心から感謝したいと思います。
クリスマスおめでとうございます。